猛暑が続いておりますが、ブログをご覧の皆さんは元気でお過ごしでしょうか?
弊社においても、灼熱の太陽のもと複数の新築現場が動いていて、私が入社して以来の多忙な日々を過ごしています。
ところで皆さん、新築というと、基礎や柱、壁、屋根の工事はイメージしやすいかもしれませんが、まずはその建物を建てる場所、すなわち「地面」が重要なのです。
今回は、そんな地面にかかわるお話をしていきます。
皆さんは、「ボーリング調査」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
学校の授業で少し学習したことがあるかもしれません。ボーリング調査は、地盤調査の1つです。建物は地面(地盤)の上に建てますが、その地盤が建物を建てるのに良いか、悪いかを判断する必要があります。もし建物を建てたい場所の地盤が悪い場合は、安全な建築をするための対策をしなければなりません。
地盤の強さや種類を知り、良し悪しを判断するための調査を、地盤調査といいます。
ボーリング調査は、地面を掘り(穴を空ける;bore)ながら、地盤の強度を調べます。
ボーリング調査で行われる、最も一般的な試験の1つである「標準貫入試験」について紹介します。
標準貫入試験は、ヤグラを組んで滑車(かっしゃ)を取り付け、滑車にはロープを付けます。このロープには、落下装置やハンマー(写真中央の緑色の重り)、サンプラー(土を採取する器具)が吊ってあります。
ロープを巻き上げ、一定の位置から地面に向かってハンマーを自由落下させます。このとき、ハンマーの重さで地面を少しずつ掘ると同時に、先端のサンプラーで土を採取します。
土を採取するのは、後で土を分析し、種類などを調べるためです。
ロープを巻き上げてハンマーを落とす、という作業を何十回と繰り返すことで、数十メートルもの地質や強度を調べることができます。ハンマーの自由落下による力で地面を掘削するので、柔らかい地盤は簡単に掘削できますが、固い地盤はなかなか掘り進めることができません。
このようにして、ハンマーを落下させた「回数」を地盤の強度とみなし、この回数を「N値」といいます。
標準貫入試験の方法は、細かく規定されています。ハンマーの重さは63.5キログラム、自由落下させる高さは76センチメートルと決まっています。
試験を行う孔(穴)の底から15センチメートルの深さまで予備打ちを行い、そこからサンプラーを30センチメートル貫入させます。30センチメートル貫入するまでの打撃回数が、その試験区間(深さ)のN値となります。
打撃回数を測定した後、地表にサンプラーを引き上げ、採取した土を観察し、代表的な試料を透明な容器にいれ整理します。
重いハンマーのロープを何度も引いて、サンプルを取り出して、という作業を1メートルごとに繰り返すので、大変な作業です。地盤調査は、決して目立たない作業ですが、地盤が悪い状態のままでは安全な建物を建てることができないので、とても大切な作業です。
調査の結果は、柱状図という図で示され、土の種類や固さ(N値)が調査した地盤の深さごとにわかります。
今回は、建物を建てる前の調査についてお話しました。私が担当のブログはいつもカタい感じになってしまうのですが、次回担当のAさんにはもう少しワクワクする記事を期待しましょう!
まだまだ暑い日が続きます。皆さんもどうか体調に気を付けてお過ごしください。